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奥尻島の動物図鑑

最終更新日:2023年8月30日

●安住の地 ・ 奥尻島の動物たち●


 奥尻島は、自然豊かで魚介類などが豊富なことから、人が暮らすには最適な環境といわれています。
 しかし、それは人間だけに限ったことではありません。
 島に生息する動物たちにとっても 「 安住の地 」 なのです。
 なぜなら、動物たちの餌が豊富で、気候もよく、天敵や外敵が少ないからです。
 奥尻島の森の中には、野ウサギ、タヌキ、コウライキジ、コウモリなどが、また、鳥類も多数生息しています。
 昔はカワウソを見たという噂や、 「 鹿の踊り場 」 といわれる場所や、シカが群れで海を渡ってこの島を離れていったという伝記もありますが、今はカワウソやシカは見受けられません。
 北海道といえばクマやキツネが有名ですが、不思議なことに同じ北海道である奥尻島にはクマやキツネがいません。
 また、アオダイショウなどのヘビはいますが、毒ヘビはいなく、まさに天敵や外敵がいない安住の島なのです。

 そんな動物たちにとって安住の地を証明するかのように、昭和60年9月には北海道が、北海道内にしか生息しないエゾライチョウの減少に歯止めをかけるため、檜山道立自然公園や鳥獣保護区とされている奥尻島神威山ろくに放鳥しました。このエゾライチョウは今でも繁殖を続けています。
 また、島を取り囲む海では、時折、イルカやシャチの大群が見られるほかクジラやトド、アザラシ、白鳥、天然記念物のオオワシ、オジロワシなどが立ち寄ったりもします。
 しかし近年、民家で飼育していたミンクが逃げ出し、天敵や外敵がいないことが逆にミンクの繁殖、野生化をもたらし、いまや安住の地を脅かす存在になりつつあります。
 また、珍発見といえば、日本での生息は東北地方が北限といわれているハクビシンが奥尻島で幾度か発見されています。

珍獣!? 「 ハクビシン 」 発見

《広報紙おくしり No.206(昭和60年3月発行)より》
 昨年12月13日、小林輝さん(字青苗)が長浜海岸沿いの道路わきの草むらで、保護獣「ハクビシン」を発見しました。
 このハクビシンは、全長61センチ、尾の長さ24センチで、額に白い線があるのと足の形が特徴で、もともと南方系のジャコウネコの仲間です。
 発見した小林さんは、16年前からタヌキでもテンでもない足跡を見つけていて、当時からこの奇妙な動物に興味を持ち続け、これまで3回、目撃しています。
 このハクビシン、我が国では東北地方が北限とみられていて、動物学者の間では、ハクビシンは人手で日本に移されたとする帰化説と、以前から日本にいたとする在来説とがあるため、奥尻町での発見は学会に大きな波紋を広げそうで注目されています。

またも死骸が…2度目の発見で奥尻島の棲息確認

《広報紙おくしり No.386(平成12年5月発行)より》
 4月4日、球浦地区の道々沿いで、保護獣「ハクビシン」の死骸が発見されました。
 このハクビシンは、体長約50センチ、尾の長さ約25センチで全体的に茶褐色をしており、夜間に通行する車に跳ねられたものと推測され、昭和59年12月に青苗地区で死骸として発見されて以来、奥尻町で2度目の大発見となりました。

 ハクビシンは、もともと中国南部や台湾などの南方系に多く生息するジャコウネコの仲間で、頭頂から鼻にかけての白い線と足の形が特徴です。
 日本では、各地域で分布が確認されていますが、人手で日本に移されたとする「帰化説」と、昔から日本にいたとする「在来説」とがあり、学者間の意見が分かれています。
 また、分布は特に東海地方、四国地方、東北地方南部に多く、日本では東北地方が北限で北海道には生息しないとみられていたため、昭和59年に初めて奥尻町で発見された際には、学者間で大きな波紋となって注目されました。

 町民の方の中には、山へ入った際に目撃したという情報が何度かありましたが、岩穴や土穴などをねぐらとしながら樹上で暮らしたり、夜行性でめったに人目につくことのないハクビシンの今回の発見で、奥尻島に間違いなく生息していることが確認されました。

生きたままの姿で撮影に成功

《広報紙おくしり No.408(平成14年3月発行)より》
 赤石地区の株式会社カナモト奥尻出張所の倉庫で、1月18日、珍獣「ハクビシン」を生きたままの姿での写真撮影に成功しました。
 このハクビシンは、体長約50センチ、尾の長さ約30センチくらいで全体的に茶褐色をしており、同社の職員が出勤した際に倉庫にいるのを発見し、すぐにカメラを向けて写真を収めたものです。
 同社の木村政行工場長は「最初は何の動物かわからなかったが、リンゴをカットして与えられたら翌日食べてなくなっていた。人が近づくと警戒心が強いのか倉庫の暗いところへと隠れたりしたが、動きそのものは意外と鈍かった。1週間ほど住み着いていたがいつの間にかいなくなっていた」と、当時の様子を語ってくれました。

 ハクビシンは、もともと中国南部や台湾などの南方系に多く生息するジャコウネコの仲間で、頭頂から鼻にかけての白い線と足の形が特徴の珍獣といわれ、人手で移されたとする「帰化説」と、昔から日本にいたとする「在来説」があり、学者間での意見が分かれています。
 また、分布はとくに東海地方や四国地方に多く、日本では東北地方が北限で北海道には生息しないとみられていたため、昭和59年に初めて奥尻町で死骸が発見された際には、学者間で大きな波紋を呼びました。

 町民の中には山へ入った際に目撃したという情報や、死骸が平成12年4月にも発見されていますが、岩穴や土穴などをねぐらとしながら樹上で暮らしたり、夜行性でめったに人目につくことのないこのハクビシンを生きたままの姿で写真に収めたのは今回が初めてです。
  • タヌキがひょっこり道路に出てくることも

  • 冬期間にはオジロワシが飛来してきます

  • イルカ

    運が良ければイルカを見ることも…

本文ここまで

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