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北海道南西沖地震の概要

最終更新日:2022年1月24日

1. 地震

写真:地震発生直後、大規模な崖地の崩壊により、ホテルとレストラン、灯油備蓄タンクが一瞬のうちに飲み込まれ、島外からの宿泊客を含む29名の尊い命が犠牲となった奥尻地区
地震発生直後、大規模な崖地の崩壊により、ホテルとレストラン、灯油備蓄タンクが一瞬のうちに飲み込まれ、島外からの宿泊客を含む29名の尊い命が犠牲となった奥尻地区(朝日新聞社提供)
 地震の震源は、北海道南西沖(北緯42度47分、東経139度12分)で震源の深さは34Km、マグニチュード7.8。
 奥尻島はもとより、北海道や東北地方の各地で震度5の強震から震度4の中震を記録しました。
震源域は奥尻島を含むと推測され、奥尻島は地震計が設置されていないため震度6の烈震と推定されています。
 この地震だけで、地殻変動による地割や陥没、建物の倒壊、液状化現象による田畑や道路など、各地区で大きな物的被害をもたらしました。

2. 津波

 この地震に伴い、札幌管区気象台は午後10時22分に北海道の日本海沿岸に大津波警報を発表しました。
 震源に近い奥尻島では、地震発生から2~3分後に津波の第1波が来襲したものとみられており、特に北端部の稲穂地区、南端部の初松前と青苗地区、西海岸の藻内地区などの集落が壊滅的状態となるほどの大きな被害をもたらしました。
 津波の到達した高さは最高で藻内地区の29mにも達していますが、31mという説もあります。
 考えられない高さの津波の来襲で家や集落が一瞬のうちに壊滅しましたが人的被害のほとんどもこの津波によるものでした。
写真:稲穂地区
▲稲穂地区(朝日新聞社提供)
写真:青苗地区
▲青苗地区 (毎日新聞社提供)
地震発生直後間もなく大津波が来襲し、密集した家々や人々を一瞬のうちにさらっていき、集落はまるで戦争の跡地のように何もかもなくなってしまった。

3. 火災

写真:津波の来襲直後、難を逃れた家々に今度は火災が発生し、見る見るうちに延焼が広まって大火災となり、市街地を焼き尽くしていった青苗地区(朝日新聞社提供)
津波の来襲直後、難を逃れた家々に今度は火災が発生し、見る見るうちに延焼が広まって大火災となり、市街地を焼き尽くしていった青苗地区(朝日新聞社提供)
 この地震に伴い、青苗地区で船舶火災2件、建物火災1件、奥尻地区で車両火災1件が発生しました。
 出火原因が特定できていませんが、建物火災の第1出火点が、地震発生直後の7月12日午後10時35分ころと推定されることから、地震および津波が誘引となって出火したものと推測されています。
 青苗地区の建物火災は、翌朝9時20分に鎮火するまで広範囲にわたって延焼が続いたため、津波の直撃を受けた市街地の被害にさらに拍車がかかり青苗地区の市街地は壊滅状態におよびました。

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